『脳科学を活かした授業をつくる』本田恵子著 [Teaching]
日本に一時帰国していたときに買った本。Bangkokに戻ってから、今日初めて、コーヒーショップで開いた。
大変、大変、面白い。これは、アンダーラインをひいたり、メモをとったり、付箋紙を貼ったりしながら、きちんと読みたい!と思い、のんびりするはずだったコーヒーショップを、そそくさと後にした。
わたしの研究・興味は、理屈っぽくて、実験室的で、現場と離れているように思われがち。しかし、わたしの中では、はっきりと、現場と結びついていた。それを、本にして、説明してくださっている。あー、嬉しい。
この本のいい(わたしが嬉しい)ところ。
1 しっかりとした脳科学に基づいている
これまでの研究成果から、最新のものまで、基礎的な研究がベースになっている。専門的なところから、きちんと考えられていることがわかり、信頼できる。この手の専門書は、とかく、教育現場だけ、とか、研究者だけ、とか、そういう限られた世界で活躍する著者が、限られた世界の読み手に訴えるものが多い。これは、そうではない。研究と、教育の現場が、両方、しっかりと見据えられている。
教師、教師した色の本は、どうも主観や著者の経験が前に出て、「あー、そうですか」「あなたはそうかもしれませんけど」と、(失礼だが)思うものだ。これは、違う。実験や研究に基づいて、客観的に述べられている。
2 教育全般である
「日本語教育」のように、一部のものを対象としいていない。「学ぶ」ということ、そのものをターゲットとしている。いかなる分野の教育も、原点に戻って、学習者、生徒、学生を、学ぶ生身の人間として考え直すことができるのではないだろうか。
3 知識と実践両方について述べられている
最初が、学問的な、「理論編」。後半が、現場に近づいた、「実践編」。「実践編」では、具体的な教科(社会科、など)が挙げられ、指導単元(南北戦争、など)、生徒の様子(自分のことになるとおしゃべりになる、など)も挙げられている。読んでいて、イメージしやすい。
自分の気にしている教科や単元が、それと異なっていても、「理論編」で、基礎的な背景は分かっているので、自身で、自分の場面に置き換えることができる。構成がうまくできている。
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さて、家に帰ったので、コーヒーを入れて、読み直さないと。
読まれた方、いらっしゃったら、コメントを聞かせてください。
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